豊橋南高校陸上部"陸の南"トラック&跳躍インハイ出陣
オリンピック選手を輩出した公立の雄が、今年も最高峰のステージに立つー。今月24日に広島ホットスタッフフィールドで開幕する全国高校総体(インターハイ)陸上競技に、豊橋南高陸上部が13年連続で出場を決めた ▼男子走幅跳、女子100m、同200m、女子4×400mリレーの4種目。男子走幅跳は東海王者が新たな目標を定め、3年連続となるお家芸の女子リレーは蓄えた爆発力でチームベストを目指す ▼叩き上げのスプリンターが県、東海そして全国でもエリート集団の私学に牙を向く。
伝統のバトン今年も全国へ
女子4×400mリレーは1走鶴岡紗夏さん(2年、高豊中出)、2走彦坂莉朱さん(3年、東陵中出)、3走羽田野景子さん(3年、南陽中出)、4走佐竹愛琉さん(4年、豊川西部中出)の布陣。
県総体決勝は3分51秒20で2位。続く東海総体予選は3分50秒95で組2着通過。決勝は岐阜の済美と愛知を制した中京大中京が引っ張り、3番手以降はほぼ横一線。アンカーにバトンが渡り、第3コーナーを回った段階でも愛知県勢が激しい切符争いを展開。豊橋南は勝負強い2枚看板の1人佐竹さんが猛チャージを掛け、3分49秒66で6位フィニッシュ。伝統のバトンが今年も全国につながった。
描くレース展開図は、2走までに前を狙える好位置につけ、3走でキープ。出入りの激しいアンカーで再加速する。1走の鶴岡さんは堅実な走りと後半の伸びでレースの流れをつくる。2走彦坂さんは100mと200mでもインハイ出場を決めた絶対的存在。3走の羽田野さんはスピード持久力があり、昨年も3区を務めた経験値がある。アンカー佐竹さんはケガで苦しんだ時期もあるが実力は折り紙付き。気持ちが強く仲間からの信頼も厚い。昨年のインハイは予選を組1着で準決勝に進んだ。今年のチーム目標も準決勝進出。昨年の準決タイムとはベストで2~3秒の開きがあるが、場数を踏んで戦い方を覚えてきただけに「想定超え」も十分可能だ。
東海制しさらなる大ジャンプを
男子走幅跳 齋藤悠羽君(3年)

齋藤悠羽君
頭で考えすぎて器用貧乏なところがあった。雑念を捨て、覚悟を決めて身を投げ出すと、あれよあれよと頂点に立った。
県総体は6m84で5位通過。続く東海総体は、試技1本目に全選手中トップの7m07をマーク。首位をキープしたまま上位8人による決勝ラウンド(3本)でも有力選手の記録が伸びず、気付けば表彰台の一番上。「優勝の実感がなく、不思議な感覚だった。僕より強い選手が大勢いるのに、喜びより驚きの方が大きかった」と振り返る。
田原東部中出身。小学時代から幅跳びの基礎を学び、中学3年時は県5位で東海大会に進んだ。高校1年の東三河新人戦で7m08をマーク。スポーツ国体、U16陸上、大阪室内と全国規模のメジャー大会を経験し、大器の片りんを見せた。だが昨年はケガもあって本来の跳躍ができず試行錯誤が続いた。
アスリートとして心に誓った総決算の夏。復活を後押しするように県、東海と「運」も援軍に付いた。身長181cm。体幹が強く、ポテンシャルも高い。助走スピードを徐々に加速させて力強く踏み切り、ダイナミックに身体を突き上げる。空間での体重移動も巧みだ。県総体後から1カ月で体重を3kg落とし、余分な肉を削った。「減量成功はモチベーションに繋がった。メンタルの弱さを克服できたような気がします」と、小さな達成感が大きな自信につながった。「全国の強豪と競うのは楽しみ。自己ベストを更新し、決勝ラウンドで陸上の最終ページを飾りたい」と、静かにフィールドを見つめる。
自己新ラッシュ追い風に
女子100m、200m 彦坂莉朱さん

短距離2種目でも出場を決めた彦坂莉朱さん
身長155cmと小柄だが、股関節の可動域が広く、しなやかでスケールの大きな走りでタイムを上積み。序盤からギアを上げ、後半も回転数が落ちない。ピッチ走だがストライドもよく伸びる。マイルリレーと合わせ3種目で最後のインハイに懸ける。
▷100m=県総体決勝を6位(12秒19)通過。東海総体は予選12秒22(組2着)、準決勝12秒14(組4着)と当確線上だったが、決勝で自己ベスト12秒06を出して5位。「準決勝進出が目標だったので上出来です。本音を言うと11秒台を出したかったですね」
▷200m=東三河2位発進。県総体決勝を24秒42の4位で通過すると、東海総体準決勝は25秒25の組3着。決勝で24秒39をマークし、こちらもベスト更新で4位フィニッシュした。マイルリレーと同じ最終日。疲労の蓄積もあったが「狙っていた種目なので、どうしても決めたかった。最後のマイル決勝にも気持ち良く臨むことが出来ました」
中学では2年時にジュニア五輪100mで8位入賞。高校に入って持ち前の走力に馬力とスタミナが加わり、どんな展開からも切り替え可能な爆発力を手に入れた。練習では腕振りを意識し、ウエート強化で肉体改造にも取り組んだ。緊張するタイプだと言うが、最近はその緊張を力に変換するレースができている。
「100mは11秒台を出して東三河高校新を目指す。200mの目標はファイナリストに残ること」と設計図を描く。全国ランキングでは上位を追う立場だが、ここにきて両種目とも走るたびに自己ベストを更新している。小型だが機能性抜群のターボエンジンを搭載し、さらに強くアクセルを踏み込む。