"古豪健在"団体戦30年ぶり準V
桜丘高校卓球部女子(野木森孝充監督)は、長崎県大村市で開催された全国高校総体(インターハイ)の団体戦で準優勝を飾った。ファイナル進出は実に30年ぶり。シングルスでは栗山優奈さん(3年)と山室早矢さん(2年)がそろって銅メダル獲得。さらにダブルスでも栗山・田ペアがベスト8するなど、各カテゴリーで快進撃をみせた。「自慢のチーム力を発揮することができた」「最後に勝ち切れなかったのが悔しい」。収穫や課題、そして部史に新たな歴史を刻んで"サクラの夏"を終えた。
桜丘高校卓球部女子
インターハイで桜旋 シングルス2選手が銅メダル
学校対抗の団体戦は4単(S)1複(W)の3点先取制。桜丘は栗山優奈、伊藤ゆづき(以上3年)田旻一、山室早矢、中野優里奈(以上2年)の布陣で臨み、準々決勝の八戸工(青森)まで全て3ー0のストレート勝ち。山陽学園(岡山)との準決勝は1番シングルスの田が敗れたが、続く栗山・山室のダブルスで追い付き3ー1の逆転勝ち。決勝は、大阪大会でインハイ10連覇中の絶対女王四天王寺を破って同大会初優勝した香ヶ丘リベルテ。勢いに乗る新興勢力VS2度目の全国制覇を狙う古豪の構図。切り込み役の1番田が勝利し、2番シングルスの栗山も前半リードを奪ったが、終盤相手に主導権を握られ接戦を落とした。以降ダブルスも不覚を取り、結果1ー3の逆転負け。29回大会(1960年)以来64年ぶりの日本一奪還は持ち越しとなった。
「実力は全くの互角。流れ1つで勝運が変わっていた」とは大会関係者の声。それでも野木森監督は冷静だ。「劣勢でも挽回するチャンスはあったが『勝たなければ』という気持ちの焦りがプレーに出てしまった。選手たちはよく戦った。あと一歩届かなかったのは執念の差かな」と悔しさをにじませる。
スランプ乗り越えて
団体戦の主軸でもある2選手が個人戦でともに3位。全国トップレベルを証明した。

シングルスで銅メダルを獲得した山室早矢さん(左)と栗山優奈さん
栗山優奈さんは昨年の同部門で準優勝し、優勝候補の一角として会場入りした。三回戦で滋賀学園の古賀選手に競り勝ち、準々決勝では四天王寺のエース高森選手をフルセットで破った。準決勝の相手は、団体戦の決勝で苦杯をなめさせられた香ヶ丘リベルテの1年生竹谷選手。昨年の全中優勝者だ。「年下の選手に2回も負けたくない」と、序盤からギア全開でリードする展開をつくったが、無念の逆転負け。「準優勝だった昨年の借りを返すことができず、言葉にできないほど悔しい」と唇を噛んだ。
インハイ連続入賞で名前を売ったが、その道のりは決して平坦ではなかった。気持ちが空回りして勝てる試合を落とすなど、戦い方を見失う時期が続いた。スランプの中で迎えた県予選会は第1シードながら準々決勝で敗れ6位。8枠の下の順位からの滑り込みだった。続く東海大会は初戦敗退。チームメイトの山室さん、田さんがワン・ツーを飾る中、総体戦前予想で「本命」から「伏兵」に格を下げた。以降、不安を払しょくするように一心不乱にラケットを振った。「自信を持って戦えば絶対に勝てるよ」。同じ方向を向く仲間の支えも大きかった。
完全復活とは言えない中での全国総体だったが、2度のフルセット戦を勝ち切り、自分を取り戻した。「最後まで攻める卓球ができた。優勝を逃したのはやっぱり悔しいけど、次戦につながると思う」と前を向いた。次の目標はオリンピアンも出場予定の日本選手権(1月21日~26日、東京体育館)。高校年代では超難関とされるベスト16入りを目指す。
前回女王に快勝
山室さんは昨年のベスト16からジャンプアップ。第8シードで順調に勝ち星を積み上げ、圧巻は準々決勝。昨年1年生でインハイを制した四天王寺2年の青木咲智選手と対戦し、3ー0の圧勝。粘り強く返して相手の得点パターンを崩し、番狂せを起こした。準決勝は同じく四天王寺の兼吉優花選手に1ー3で屈した。「前回覇者に勝つことができ、全国で初めてメダルも取れたので最高の気分」と笑顔をつくる。
戦術の引き出しの多いカットマン。決して器用ではないが、覚えた技を時間をかけて吸収していく。来年は〝夏の大阪陣〟を叩いで勝利ののろしを上げたいところ。「次は選抜大会で結果を残し、来夏は団体戦をはじめダブルスやシングルスでも頂きを目指す」と、新たなビジョンを描く。第3シードの田さんは準々決勝で敗れベスト8だった。
ダブルスには栗山・田ペアと伊藤・中野ペアが出場。伊藤・中野ペアはベスト16。栗山・田ペアは準々決勝で優勝した四天王寺のペアに1ー3で敗れベスト8だった。