スポーツ春秋
地域スポーツに携わる少年野球の指導者が子どもたちに説く。「特別な努力をした者だけが、特別な力を授かる」▼指導者には褒めて選手を伸ばすタイプと、声を荒げて士気を鼓舞するタイプの2通りあるが、彼は典型的な後者。馴れ合いになるな、競争意識を持て、が口癖。「試合に勝ち負けがある以上、つねに勝者であれ。勝つことによって次の景色が見えてくる」と力を込める▼こうと決めた道を頑に貫き通し、周囲の声にはいっさい耳を傾けない。大会関係者は時代にそぐわないその指導法の路線変更を求めるのだが▼「情のない嫌われ者」と悟ったように語る不器用な昭和の気骨人。それでいて、保護者や子どもたちは歩幅を合わせて付いていく。努力や辛抱を「時代遅れ」と片づけない人間育成がそこに隠れているのだろう。