東海で覚醒 初の全国出場

 東三河は10分を切れず4位。県総体は私学勢とのV争いに絡めず6位。滑り込む形で出場した東海総体は、言わば伏兵的存在。この振り幅が大きかった分、最終予選で見せた走りは衝撃的だった▶︎豊橋南高3年の柳田麻央美さんは、東海高校総体女子3000mで4位に入り、今月30日から滋賀・平和堂HATOスタジアムで開催される全国総体(インターハイ)に出場する。

陸上女子3000m 豊橋南3年 柳田麻央美さん

柳田麻央美さん

柳田麻央美さん

 強豪私学の長距離ランナーが顔を揃える東海総体女子3000m。号砲と同時に大きな集団が駆け引きを続けながら距離を刻み、柳田さんはトップの背中を捉えながら入賞圏内をキープ。残り1kmで叩き合いが始まると、2人が飛び出して柳田さんは5番手。根性試しの残り100mで1人抜き、自己ベストの9分38秒48で4位フィニッシュ。耐えて粘って苦しんだ先に全国があった。

 順位、タイムとも鮮烈だった。東三河4位、県6位はどう見積もっても全国を狙える位置ではない。そのノーマーク選手が愛知県勢トップの成績で存在感を見せた。もう1つの驚きはタイム。県総体が9分50秒97。そこから約1カ月で12秒縮めたことになる。さらに言えば東三河の記録を県で32秒短縮し、回転数も落ちなかった。「まだ勝負できる」。いろんな要素が絡み合ってモチベーションは上昇。伸びしろを自信に質と量の“突貫工事”でピークを合わせた。

 吉田方中時代はバスケットボール部に所属。駅伝メンバーとして距離を積むようになり、市町村駅伝(愛知駅伝)に3年連続で選出されるなど、中長距離に舵を切る要素は多かった。

 高校で本格始動。1年秋の東海新人は1500mと3000mで準優勝。昨秋の東海新人も3000m準優勝の戦績を残したが、全国とは縁がなかった。昨年の総体は県を3位通過したものの、東海で結果が出なかった。立ち止まったり遠回りもしたが、走り続けたことで「探し物を見つけた気分」とうれしそうに話す。

 闘争心を表に出すタイプではないが、1番のセールスポイントは負けん気の強さ。インハイ目標は9分30秒を切ること。「全国の強い選手と戦えるのは楽しみ。どこまで粘れるか自分自身に期待したい」。南から吹く上昇気流に乗って粘走ランナーが飛翔する。