プロデビュー目指し狭き門突破 日本競輪選手養成所試験/T-GUP4人合格

プロデビュー目指し狭き門突破 日本競輪選手養成所試験/T-GUP4人合格
豊橋競輪場で練習を積むT-GUPの4人

 ケイリン選手の強化・育成を目的に、豊橋競輪が立ち上げた豊橋グランプリレーサー育成プロジェクト「T-GUP」の訓練生4人が、日本競輪選手養成所(静岡県伊豆市)の入所試験に合格。5月からプロへの第一歩を踏み出す▼7年度の合格者は男子72人(応募419人)、女子20人(同64人)。T-GUPの4人は現役選手の指導を受け、脚力アップやスタミナ強化を図って狭き門を突破した。入所後は翌年3月までの約10カ月間、全寮制訓練で技術・知識・規律を学び、プロデビューを目指す▼4人は「競輪で夢をつかみたい」「ファンに感動を与えられる選手に」「限界突破を目指す」と、それぞれの思いを胸に新たな扉を開く。

自転車愛は負けない

神谷遥人さん 西尾市 22歳
 父親の影響で小学生時代からロードバイクを操り、スピードレースに興味を持った。高校を卒業して一般企業に2年間務めたが、自転車競技でインハイなどに出場した弟の活躍に触発され「自分も夢を追いたい」とT-GUPに応募。訓練を積み、2度目の挑戦で合格した。

神谷遥人さん

神谷遥人さん

 中学、高校と柔道に打ち込み、体力には自信があったが「使う筋肉が違うし、スタミナも全然足りない。まだまだ肉体改造が必要です」。幼少期から(自転車に)乗るのも整備するのも好きだったから「知識と自転車愛はだれにも負けない」と話す。自分の歩幅で一歩ずつ前進する堅実派。「入所する同期より競技力はまだ低いと思う。でも、学んだことを吸収し、最終的にはゴールデンキャップ(記録会で最高基準をクリアした候補生)を狙いたい」

ロードから自転車へ

中山竜一さん 岡崎市 21歳
 ロードレースから自転車へ。「風を切る疾走感が好きなんです。観ている人に勇気と感動を与えられる選手になりたい」と力強く語る。

 中学はカヌー部。高校で自転車にはまり、毎日のようにペダルをこいだ。T-GUPで現役選手から指導を受け「実力や立ち位置を知ることができた。考え方や目指す選手像も聞いてもらい、長所を伸ばすことができた」と感謝を口にする。アピールポイントはロードで培った持久力。信念を貫くタイプだが、アドバイスには柔軟に耳を傾ける。今は筋力強化に時間を割く。

 1年間の養成所訓練を控え「自分がどう変っていけるか、緊張の中に期待感がある」。描く未来設計は「観客を楽しませるS級レーサー」

中山竜一さん

中山竜一さん

応援される選手に

中森 亮さん 豊川市 26歳
 塾講師から転身。最初は不安や戸惑いもあったが、気持ちが固まってからは向き合い方も変わった。「熱量だけはだれにも負けない」

 小学から大学まで野球一筋。チーム組織の中で努力の大切さや周囲への気遣いを教わった。就職後も趣味のウエートトレや走り込みなどで身体を絞った。同時に自転車にも興味を持ち、愛好者でつくるサイクリストクラブに入会。スタミナと走力が増すと、心が導くように可能性に賭けてみたくなった。

 T-GUPの練習は「最初の1カ月は慣れるまできつかった。自信のあった体力も通じませんでした」。入所試験前の定期走行(記録会)では最終盤で合格ラインに届いたが、本試験会場は環境も雰囲気も違う。合格の知らせに「喜びより安堵(ど)の方が大きかった」。プロになったら「ファンに応援される選手になりたいですね」と気持ちをこめる。

中森 亮さん

中森 亮さん

目標はグランプリ

山下喬華さん 岡崎市 22歳
 「経験値がないから覚えることが多くて。大変だけど楽しいですよ」。会社勤めを経て「もっと毎日を輝かせたい」と一念発起。厳しい勝負の世界に飛び込んだ。家族の応援も取り付け「プロデビューしたら『ファン1号』になってくれるそうです」と笑う。

 小学4年からバスケットに打ち込み、高校は県外の全国常連校で心身を鍛えた。反射神経が良く、学んだことを皮膚感覚で吸収していく。競輪は「努力がそのまま成績やランキングに繋がる。そこが魅力ですね」。課題はトップスピードに乗るまでの立ち上げ(ダッシュ力)。養成所での共同生活は「高校時代に経験しているので不安はありません」。

 「ファンを裏切らない走りをして、最終目標はグランプリに出場することです」。アピールポイントは「負けず嫌いなところかな」

山下喬華さん

山下喬華さん

▶︎豊橋競輪場ホームページ