ノンキャリアから次世代トップ選手へ 高校生バレーボール Jr.オールスタードリームマッチ出場
「全国の広さや強さを知ることができました」ー。豊橋中央高校2年の白井美有さん(17)=写真、西幸町=は、今月13、14日に東京都八王子市のエスフォルタアリーナ八王子で行われた高校生バレーボールの「全日本ジュニアオールスタードリームマッチ」に出場。次世代トップ選手の1人としてインハイや春高で活躍した選手と対峙。得意の広角スパイクで存在感を放った。「この経験を糧にもっと高みを目指す」と力強く語る。
高師台中 豊橋中央高2年 白井美有さん

豊橋中央高校2年の白井美有さん
山田二千華選手に続き2人目
全日本Jr.ドリームマッチは、将来の日本代表選手の発掘・育成を目的にJVA(日本バレーボール協会)が主催する強化プロジェクト。23回を数えることしは全国から52人が招集され、東海地区からは白井さんと誠信のスパイカーの2人。豊橋中央からはSVリーグNECレッドロケッツ川崎所属のオリンピアン山田二千華選手(2018年卒業)に続き2人目。
試合はSTAR・OCEAN・MAX・WINGの4チームによるリーグ戦。白井さんはWINGのチームメンバーとして全試合に出場。しなやかな腕の振りから打点の高い強打を打ち込み、インパクトを残した。主催者は勝敗ではなく、U18日本代表候補(約20人)の選考を兼ね、個のスキルや身体能力、ポテンシャルなどをチェック。白井さんは「各ポジションにいろんなタイプの『業師』が揃っていて、技術的にもメンタル面でも刺激になった。初戦は緊張で体が重かったが、2、3戦目は雰囲気を楽しみながら自分のプレーが出来たと思う」。そして「この経験をチームの活力剤にしたい」と気持ちをこめる。
小学時はダンスに夢中
バレーボールを始めたのは高師台中学に入ってから。小学生の頃はヒップホップダンスに夢中で、カラフルなコスチュームに身を包み、イベントでパフォーマンスを披露したこともある。バレーを選択したのは「友達に誘われたから」。仮にその友達がバスケットや陸上競技に誘っていたら、進む道は違っていたかもしれない。競技人生の最初の分岐点だった。
中学では1年夏からコートに立ち、秋の新人戦以降は中心選手として活躍。ダンスで養ったバランス感覚や柔軟性、そして吸収力も速く、足し算ではなく「掛け算」のようなスピードで競技力を高めていった。当時は東陽と二川が県の2大勢力。高師台は市内、東三河と3位が指定席だったが、3年夏の総体は県ベスト8まで勝ち上がった。戦績を重ねる中でスパイクの伸びしろや適正能力、勝負勘などが評価され、愛知県選抜メンバーとして12月開催の全国都道府県対抗中学バレー(ジュニアオリンピックカップ)に出場。初めての大舞台に「超中学生級のパワーアタッカーが競うように打ちまくり、試合に入る前の気持ちの作り方も参考になった。『まだまだ駆け出しだな』と痛感しました」と当時を振り返る。

県新人戦決勝で角度のあるスパイクを決める白井さん
チーム目標は県3冠
県外の強豪校から声が掛かり、公立校という選択肢もあった。それでも「地元の高校で力を付け、全国に出場して地元を盛り上げたい」と豊橋中央を選んだ。1年夏のインハイ予選から攻撃ラインの一角を担ったが、堅い守備やブロックに阻まれ、得点方程式に絡めなかった。「高校の練習は(中学と比べ)質も量も違うし、何通りもある戦術を理解するだけでも大変でした。先輩とのレベル差を埋めるには向かっていく勇気と長所を磨くしかないと」。ここ最近は全国に一歩届かず、特に前季はライバル視する豊川に後塵を拝した。「悔しい思いをした分、反骨心が力になっていると思います」
新体制後、チームは主要公式戦で勝ち星を重ね、来月開催の東海選抜も優勝候補の筆頭に挙がる。先の県新人戦では全試合ストレート勝利で「県3冠」の1つを獲った。エースアタッカーとしてチームをけん引する白井さんは「いいスタートを切る事ができたが、勝負はまだ始まったばかり。挑戦者の姿勢を忘れずスキルアップし、残りの2冠(インハイ、春高)も必ず手に入れる」と気合十分。強化課題は「スパイクの精度とブロックの強度を上げること」
山田選手との共通点
この2年間で「いろんな経験をして精神的に強くなれたと思うし、使命感も出てきたかな」。試合で見せる形相と、コートを離れた素の顔は極端に違う。普段はおっとりしていて言葉遣いも柔らか。受け答えが的確で頭の回転が速い。
8年前に取材したOGの山田二千華選手とは共通点が多い。彼女も中学からバレーを始めたノンキャリア組。3年時にジュニアオリンピックカップ出場で頭角を現し、豊橋中央でさらに才能が開花。Jr.ドリームマッチや全日本高校選手権(春高)などを経験して全国区の選手に成長していった。山田選手は「剛腕」、白井さんは「技巧」とタイプは違うが、共通項はまだある。2人とも真面目で純朴で、真摯にブレずにバレーと向き合ってきた、その芯の強さが覚悟となって表れる。
頭に描く将来図はまだ言葉にしない。今は選んだ道が間違っていなかったと言えるように、中央バレーに全集中。「最高峰の舞台でチームメイトと大暴れしたい」と、目の前だけをロックオン。