豊橋東リトルシニア悲願の初V

豊橋東リトルシニア悲願の初V
優勝した豊橋リトルシニアメンバー(背番号順、カッコ内は学校名)。▷主将=加藤颯真(南陽)▷3年生=坂田悠真(豊橋東部)菱田希成(南稜)藤坂時大(豊橋東部)三原大樹(豊橋東部)森田良(豊橋東部)大野陽生(牟呂)髙井孝永(本郷)谷間陽(本郷)藤江真大(南陽)谷間敬太(本郷)齋藤颯(豊城)井口隼佑(青陵)朝熊成元(南稜)岩渕琉晟(本郷)原田侑(本郷)富野由翔(南陽)▷2年生=小笠原きいな(南稜)伊藤琉音(高師台)筒井寛晟(南稜)長坂隼汰(湖西・岡崎)渡邉陽葵(高豊)髙井香希(章南)杉本結翔(本郷)瀧本一稀(浜松・江西)

 中学硬式野球の「第14回中日ドラゴンズカップ2026」が先ごろ、バンテリンドームナゴヤを主会場に開かれ、豊橋東リトルシニア(櫻井孝史代表、平野勝昭監督)が初優勝を飾った。硬式の白球を追うリトルシニア、ボーイズ、ヤングの3リーグから16チームが出場し、リーグの誇りをプライドをかけて激突。豊橋東リトルシニアは決勝で東尾張ボーイズとの「愛知対決」を制し、さん然と輝くドラゴンズカップを手にした。

中日ドラゴンズカップ中学硬式野球2026

リーグのプライド激突

 中部6県(愛知、三重、岐阜、福井、石川、富山)の中学硬式野球チームがリーグの垣根を越えて火花を散らした。優勝争いは毎年リトルシニアVSボーイズの構図で、今年もこの2強リーグを軸に覇権争いを展開した。豊橋東リトルシニアは9年ぶりの参戦。

【一回戦】豊橋東リトルシニア 12ー0 金沢ヤングブルーウェーブ
 ◯…三回、3番藤坂時大(はる)の右越2塁打、4番藤江真大(しんだい)の左越2塁打などで2点を先制。以降も攻勢に進め、最終回には長短7安打を含む打者14人の猛攻で一挙9点を奪って勝負を決めた。先発坂田悠真(はるま)が緩急をつけた技巧投球で完封した。

【準々決勝】豊橋東リトルシニア 10ー9 小松加賀リトルシニア
 ◯…1点を追う二回、1番大野陽生(はるき)の右越2塁打、3番藤坂の中前適時打などで逆転すると、続く三回は5番菱田希成(きなり)の2塁打を突破口に2点を追加。五回、6番坂田の中前打を足がかりに7番谷間陽(はる)、9番髙井孝永(こうえい)の適時打などで2桁得点に乗せた。この試合も坂田が先発。その後制球のいい大野、真っ直ぐに威力のある齋藤颯(はやと)とつないで打撃戦を制した。

【準決勝】豊橋東リトルシニア 4ー3 福井永平寺リトルシニア
 ◯…二回、7番谷間陽、8番森田良(りょう)の安打を起点に9番髙井の右前打で先制。四回には森田、髙井が好機をつくり、二死1、3塁から2番三原大樹(だいき)の中前打で突き放した。この試合は先発齋藤が試合をつくり、最後はクロスファイヤーが冴える左腕朝熊成元(じょうげん)が締めた。

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先発坂田が五回無失点

【決勝】豊橋東リトルシニア 4ー2 東尾張ボーイズ
 ◯…初回、一死1、3塁から3番藤坂の左前適時打で先制。四回に7番森田の右前打で突き放すと、五回には一死満塁から押し出し四球と内野ゴロの間に加点。リードを広げた。六回、相手の反撃で潮目が変わりかけたが、固いディフェンス力で貯金を守った。3度目の先発となった坂田は得意のスライダーで相手打線に的を絞らせず、五回無失点の好投。六回から齋藤にスイッチ。立ち上がりこそやや甘い球が多かったが、徐々にギアを上げて抑えの仕事をした。

 最優秀選手(MVP)には投手陣の柱として大車輪の活躍を見せた坂田悠真投手が選ばれ、長打力を武器にチームをけん引した藤坂時大選手が優秀選手に選出された。

“滑り込み”から頂点へ

 「厳しい試合も多かったが、接戦をものにすることで勝利方程式の引き出しが増えていった」と、指導者たちは口を揃える。

 挨拶がわりとなる初戦は投打にインパクトを与え、続く2試合は1点を争う伯仲戦を勝ち切った。優勝を争ったドーム決戦では先発が好投し、打線も先制、中押しと理想的な必勝パターンを構築した。“先見図”がはまったのは8月7日、ナゴヤ球場での準々、準決勝。真夏の炎天下、しかも屋外でのダブルヘッターは肉体的にも精神的にも疲弊する。投手の球数や内外野手の守備位置、選手交代のタイミングなど、何通りものシミュレーションを具現化して接戦をものにした。「この連勝でチームの士気が一気に上がり、決勝に弾みがついた」

 スコアブックを見ると、下位打線が起点となって得点に絡んだ。足のある1、2番がかき回し、中軸が長打で返す。そして6番以降が再びチャンスメイク。守備ではタイプの違う投手陣や配球術に長けた捕手菱田ら、それぞれのピースが使命感を持って役割を果たした。この全員野球で中部圏の“中学硬式チャンピオン”を獲った。

 今大会、リトルシニアリーグからは連盟主催大会(春季、秋季、全日本予選)の獲得ポイント上位7チームが名乗りを上げた。その中で豊橋東シニアは“滑り込み”の7番目。昨年の全日本経験者が多く、前評判は高かったが大事な試合を落とし、結果的に伏兵的立ち位置だった。ノーマークからの“快進劇”に、選手たちは「『このままでは終われない』とチーム一丸で戦うことができた。集大成の大会で頂点に立つことができ、全日本選手権を逃した悔しさを晴らすことができた」と、日焼けした顔をほころばせ、「このチームで1日でも長く野球をしていたかった」と語る。櫻井孝史代表は「3年生たちは悔しさや試練をバネに最後の大会で大きな花火を打ち上げてくれた。グラウンドに立った選手だけではなく、主将の加藤颯真(そうま)をはじめ控え選手や保護者、そして地域の方々など全員でつかんだ優勝だと思う。道筋をつくってくれたすべての人に感謝です」と気持ちをこめる。

最優秀選手に選ばれた坂田悠真投手

最優秀選手に選ばれた坂田悠真投手