東三河から『J』へラジルの挑戦 今季の展望チーム未来像 藤本善生監督に聞く

東三河から『J』へラジルの挑戦 今季の展望チーム未来像 藤本善生監督に聞く

 「東三河のサッカーを全国に発信したい」ー。大いなる野望を胸に、あくなき挑戦を続ける社会人サッカークラブの「ラジルFC東三河」。東海リーグ(2部)に初参戦した昨シーズンは4位。終盤星を落とさなければ、1部昇格の可能性もあった。東海のピッチで戦い方を覚え、この1年で個のスキル、戦術の幅は確実にバージョンアップした。「目指す頂きはまだはるか先。その景色が視界に入るまで脚を止めない」。ホームで迎えるシーズン開幕戦(19日、豊橋市民球技場。vsFC岐阜SECOND)を前に、藤本善生監督に今季の意気込みやチームの未来設計などを聞いた。

社会人サッカー東海リーグ2部/ラジルFC東三河

ー東海リーグ1年目を振り返って。

藤本 開幕当初は手探りの中でのスタートだったので、ピッチ上も運営面も不安だらけだったが、多くの人の理解と協力で選手もフロントも心技両面で成長でき、実り多いシーズンを過ごすことができた。ホームゲームを何度か経験してリーグ運営の流れが分かってきてからは、チーム全員が同じ方向を向いてピッチに集中できるようになった。そして新しい仲間との出会いも大きな財産だ。支援に名乗りを上げて頂いた企業スポンサーさんをはじめ、毎試合スタンドに足を運んでくれるサポーターの方々など「地域密着」を掲げる上で本当に心の支えになった。自覚と責任感を持ち、みなさんの後押しをピッチで応えていかなければと強く思う。今月から地元のラジオ局でコーナーが始まった。そちらも楽しみにしてほしい。

藤本善生監督

藤本善生監督

ーデビュー戦は勝利で飾ったが、その後は黒星が先行した。

藤本 県リーグのときは零封負けや連敗などほとんどなかったが、東海リーグはやはりレベルも経験値も違う。ちょっとしたミスを相手は逃さないし、こちらがチャンスをつくっても堅守に阻まれゴールを割ることができない。前半戦は空回りが多く、フラストレーションの溜まるゲームが多かった。ただ、実力差はそんなに感じなかったので、歯車さえ合えば必ず勝機はやってくると思っていた。

ー第9節を終えて3勝6敗と厳しい時期が続いたが、第10節から3連勝して星を五分に戻し2位に浮上した。

藤本 暑さ対策のため7月中旬から1カ月以上試合がなかったので、その間徹底的に自分たちのサッカーを見直し、危機感を持ちながら肉体的にも精神的にも追い込んだ。そこで蓄えたエネルギーがホーム最終戦(8月31日、豊橋)の勝利につながり、特に第12節の名古屋クラブ戦はスピードと突破力を活かしたサイド攻撃が機能し、理想形に近いゲームができた。

ー1部昇格が視野に入ったが、東海FCに勢いを止められた。

藤本 ホームゲームの第6節で零封負けを喫していたので雪辱を果たしたかったが、力を出せないまま終わってしまった。この試合は主将が出場停止。主力のボランチやサイドバックは怪我を抱えての出場と満身創痍だったが、何より選手の動きが固かった。昇格につながる天王山とあって相当な重圧だったのだと思う。ピッチの内外で選手をうまくコントロールできなかった私の責任もある。ウチは最終節も落とし、東海FCは勝ち星を積んで矢崎バレンテに続く2位で1部昇格を決めた。逃した魚は大きいが、これも勝負の綾(あや)。周りの状況や独特の空気感に流されることなく、つねにフラットな精神状態で臨まなければ思い描くパフォーマンスはできないと痛感した。

ー4位(6勝8敗)という結果は。

藤本 シーズン前半は戦略がうまく機能せず降格ラインにいて、後半戦はV字回復で昇格も視界に入った。実力拮抗もあるが、1シーズンで2つの可能性を経験できるとは。私としては昇格と降格とそれ以外という考えで、3~6位にそんなにこだわりはない。次のステージに進めるか否か、それだけ。この1年で選手は本当にレベルアップして意識も変わった。今季は必ずやってくれるはずだ。

 

ホーム開幕戦「スタートダッシュ決める」

先月21日に開催された「パートナー・ファン感謝の会」。選手・スタッフ紹介後、今季のチーム目標、活動方針を発表

先月21日に開催された「パートナー・ファン感謝の会」。選手・スタッフ紹介後、今季のチーム目標、活動方針を発表

ーあと1週間で開幕を迎える。仕上がりは。

藤本 昨シーズンのメンバーが残り、JFLや東海1部に所属していたベテランが加入するなど、確実に底上げができた。ウチには若くて粋のいい選手が多く、歯車が噛み合ったときは加速度を増すが、反対に守勢に回るとポジショニングが崩れ、軌道修正が効かない場面があった。ここに経験豊富なベテランが加わることでゲームに緩急がつき、的確な指示で流れも変えてくれる。新加入5選手のうち、豊橋出身の吉葉功喜(25)は突破力が魅力のドリブラーで、クロスの精度も高い。ボランチの藤本陽平(35)は組み立てがうまく、ピッチに立つとゲームのテンポが上がる。注目してほしい。

ーシーズンをどう戦っていく。

藤本 開幕から第3戦(節)までホーム、そしてラスト3試合もホームで戦うことができる。この地の利は大きい。まずはスタートダッシュを決めて頭1つ抜け出し、中盤戦は好位置をキープ。そして残り3試合で決めにかかり、サポーターと一緒に歓喜を共有したい。粘り強く泥臭く、最後まで諦めない攻めのスタイルを観てもらいたい。  

サッカー少年に夢を

ー「東三河からJリーグへ」の旗印のもと、ブレることなく階段を上ってきた。決して簡単な道のりではないが、『J』にこだわる理由は。

藤本 「サッカーで東三河を盛り上げたい」「地域に誇れるチームをつくりたい」という思いからだが、最初からそんな野望を抱いていたわけではない。地元の仲間を集めて25年前に立ち上げ、当時は市民リーグや東三河リーグで戦績を残すことだけを考えていた。当時はサッカー熱が今のように高いわけではなく、特に東三河は他地域に比べ実力、注目度とも「後進」の感があった。それでもテコ入れを繰り返しながら10年目に県2部に昇格。このころから東海リーグや“その先”を意識するようになり、環境、支援、選手強化といった上を目指す体制づくりに動き出した。「この地域に『J』を風を吹かせたい」「次世代の子どもたちに夢を与えたい」。チームの本気度をいろんな角度から発信し、賛同していただけるスポンサー企業も増え、昨年5月にはチームをサポートしてくれる一般社団法人も立ち上がった。バックアップ体制がより強固になり、ハード・ソフト両面で最高峰の舞台を目指す土台が整いつつある。今でも「(Jリーグ参入は)無謀だ、不可能だ」という声もあるが、ビジョンがなければ停滞しかない。プレーを通して本気度を観てもらいたい。

ー小学生年代との交流会や清掃などのボランティア活動も積極的に行っている。

藤本 「人や地域に愛されるサッカー人であれ」が発足当時からのチームスローガン。強さだけではなく優しさや思いやり、リスペクトがなければ人間力は育たない。世代交流を通じ、子どもたちにはサッカーをもっと好きになってもらいたい。ラジルを支えるファンになってもらいたい。触れあい事業もボランティア活動も、この地域に育ててもらっている感謝と恩返し。リーグ戦と地域活動の「両輪」で新たな扉を開いていきたい。

ー改めて今シーズンの目標を。

藤本 優勝と1部昇格。それしか見えていない。応援よろしくお願いします。

感謝の会でお披露目された新ユニフォーム

感謝の会でお披露目された新ユニフォーム

▶︎ラジルFC東三河

 

東海サッカーリーグ2部 ラジルFC東三河 対戦カード

日付 対戦チーム 時間・場所
〈第1節〉4月19日(日) vs FC岐阜SECOND 午後2時/豊橋市民球技場
〈第2節〉4月26日(日) vs SS伊豆 正午/豊橋市民球技場
〈第3節〉5月3日(日) vs VOYAGERS 午後2時/豊橋市民球技場
〈第4節〉5月10日(日) vs TokaiGakuenUniv 正午/東海学園大学三好キャンパス
〈第5節〉5月17日(日) vs VMEC 午前10時30分/豊川市サッカー場
〈第6節〉5月24日(日) vs AS刈谷 午後2時/豊橋総合スポーツ公園サッカー場
〈第7節〉5月31日(日) vs Fc.Bombonera 午後7時/まん真ん中グラウンド
〈第9節〉6月7日(日) vs SS伊豆 午後1時/熱海姫の沢スポーツ広場
〈第8節〉6月21日(日) vs FC岐阜SECOND 午前10時30分/岐阜フットボールセンター
〈第13節〉7月19日(日) vs AS刈谷 午後7時/松屋地所Frechiフィールド
〈第10節〉8月30日(日) vs VOYAGERS 午後3時/GFC天然芝
〈第11節〉9月6日(日) vs TokaiGakuenUniv 午前11時/豊川市サッカー場
〈第12節〉9月13日(日) vs VMEC 午前11時/蒲郡海陽多目的広場
〈第14節〉9月27日(日) vs Fc.Bombonera 午前11時/豊川市サッカー場
※対戦の都合により節順に日程が組まれていません。

 

ラジルFC東三河を応援しよう

リーグ運営及びスポンサー企業、個人サポーターの募集・受付は、チームサポートの一般社団法人インフィニット・スポーツスクエア(山内一乗代表)が担当している。協賛特典は試合会場での広告掲示や公式ウェブサイトでの紹介など。 お問い合わせはインフィニット・スポーツスクエアお問い合わせページから。

▶︎インフィニット・スポーツスクエア