狙うは世界のベルト キックボクシング新人王獲得

狙うは世界のベルト キックボクシング新人王獲得
長坂市長(左)にベルトを披露する大久保さん=豊橋市役所で

 プロデビューから3戦無敗。満を持して本格始動ー。桜丘高校3年の大久保祐(たすく)さんが、昨年12月に東京で開催されたキックボクシングのKing of Rookie51.5kg級新人王決定戦で勝利。タイトルを奪うとともに、立ち技打撃格闘技のトップ団体「RISE(ライズ)」のランキングに入った。将来を嘱望される“闘魂ファイター”として勝負の年が始まる。

桜丘高3年 大久保祐さん

 格闘技団体Stand up」が主催した今回の新人戦は、新時代を担う新鋭による体重別(5階級)タイトルマッチ。試合は3分3ラウンド制。大久保さんは昨年9月の準決勝で東京の小池選手に3ラウンドTKO勝ちし、決定戦(決勝)進出。同じ高校3年の日原選手(FFT所属、大阪)と対戦し、パンチの有効打とコンビネーションで優勢に展開。最終第3ラウンドは守勢に回る場面もあったが、距離をとって試合を組み立て、3ー0の判定勝利。緊迫の打撃戦を制して拳を突き上げた。

 デビューから勝利回数を上積みし、これでプロ3勝目。ただ、試合内容には納得していない。「特に決定戦は引く場面もあって、自分の目指すパフォーマンスができなかった。点数的には40点くらいですかね」と反省を口にする。原因の1つが、完治したはずの腰の痛みが試合2週間前に再発して、減量や調整に直前まで苦労したこと。「自己管理ミスだから言い訳にはならない。棄権や延期も頭をよぎったけど、いろんな人に迷惑を掛けるし、家族や応援してくれている人を裏切れないから」と、玉砕覚悟で強行出場した。

King of Rookie新人王決定戦。鋭いキックを打ち込む大久保さん

King of Rookie新人王決定戦。鋭いキックを打ち込む大久保さん

空手道が出発点

 格闘技を始めたのは小学1年のとき。兄の影響で田原市に練習拠点を置く空手道の修徳会に通い、キックボクシングに軸足を移したのは4年生から。パンチやキックの精度を磨き、アマチュア時代の中学3年時は全日本Uー15選手権で優勝。当時から技の引き出しが多く、期待値が高かった。パンチの質にこだわって1年前から市内のボクシングジムにも通い、キック主軸の道場との“2流派”で完成度を上げてきた。昨年4月のプロデビュー以来、実力を戦績で証明するが、本人は「肉体的にも精神的にもまだ課題ばかり。上位ランカーとは比較になりません」と自己評は厳しい。そして「人見知りで緊張するタイプなので、ギアが入るまで空回りが多くて」と笑う。

 卒業後の進路はまだ手探りの段階。地元に残って中央に売り出すか。都市部に出て勝負するか。それとも海外で鍛錬を積むか。短期でタイを訪れ、ムエタイを習ったこともある。「両親と一緒に夢を追ってきたので、今の(地元に残る)スタイルで可能性に賭けてみようかと」。どの針路を選んでも終着点は1つ。「世界のベルトを巻くことです」

タイトル獲得を報告

 2日、修徳会の豊田充孝代表とともに豊橋市役所を訪れ、長坂尚登市長にタイトル獲得を報告。「ランカーたちを倒し、今年中にはチャンピオンベルトに手をかけたい」とさらなる活躍を誓い、今回獲得したベルトとトロフィーを披露した。そして「スポンサー募集中です」と笑顔で語った。

 長坂市長は「厳しい勝負の世界だが、チャンピオンになって地元を盛り上げてください」と激励した。