豊橋商業高校弓道部女子 伝統の矢 選抜団体初制覇
女の一念、岩をも通す。有言実行で射抜いた日本一の的ー。豊橋商業高校弓道部女子(大河内遥香監督)が、第44回全国高校弓道選抜大会の団体戦で初優勝を飾った。夏のインターハイで過去4度の全国制覇を誇るが、選抜Vは創部71年で初めて。選手たちは「緊張や重圧を力に変え、新しい歴史の扉を開くことができた」と喜びを語り、「まだ通過点。インハイと合わせ『2冠』を獲るまで私たちは挑戦者」と、瞳の奥には早くも夏が映る。個人戦では団体メンバーでもある藤井李羽さんが5位入賞した。
個人戦は藤井李羽さん5位入賞。県、東海、そして全国の頂きへ
全国選抜は12月23~25日、静岡県武道館で男女の団体戦(1チーム3人編成)と同個人戦が行われた。豊商女子団体は県大会を制し、東海大会でもチャンピオンに輝くなど、気持ちのアドバンテージを追い風に全国に乗り込んだ。
女子団体戦は51チームで争われ、豊商メンバーは1番本間心乃華(このか)さん、2番吉田藍(あい)さん、3番藤井李羽(ももは)さん、控え村松歩果(あゆか)さん。予選を12射7中で通過すると、ここから勢いが加速。決勝トーナメントで祐誠(福岡)、富山第一、岸和田産業(大阪)を退け、準決勝では大差で勝ち上がってきた高松商業(香川)に快勝。決勝は沖縄代表の首里と対峙し、1、2番の皆中で勝利図式を構築すると、今大会2度目となる11射的中。先に競技を終え、逃げ切る形で2本差を付けて頂点に立った。今大会の最高的中数は(12射)11中。決勝トーナメント全31試合で4度出たが、うち豊商が2回記録。特にプレッシャーのかかる決勝での射通力は会場を震撼させた。

決勝で弓を引く豊橋商業の選手たち
勝因は心の強さ
3人立(編成)はインハイなどの5人立に比べ僅差が多く、1射の重みも違う。5人立はカバー力が流れを左右するが、3人立は油断や迷いが勝敗に直結する。技術や結束力とともに磨いてきた「心のスタミナ」が日本一の称号を引き寄せた。
大河内監督は「1人1人が自覚と使命感を持ち、持てる力を十二分に発揮してくれた。夏の総体に向けて部全体の士気も高まった。次は冬夏連覇を目標に、さらなる高みを目指してほしい」と話す。
女子個人戦には県3位通過の藤井李羽さんと同4位の村松歩果さんが出場。村松さんは予選で不覚を取ったが、藤井さんは予選(4射)3中、準決勝は皆中通過。振い落とし方式の決勝射詰は3本命中。3人による遠近法で5位に入った。
1番 本間心乃華(1年、豊川中部中出)
「雑念を捨て、集中して試合に臨むことができた。優勝が決まったときは心の中でガッツポーズでした」
2番 吉田 藍(2年、東陽中出)
「県大会以降なかなか調子が上がらず、不安と焦りがあった。大会に入っても本調子ではなかったが、決勝ではチーム勝利に貢献でき、笑顔で終えることができた」
3番 藤井李羽(2年、二川中出)
「個人5位入賞は素直にうれしい。でも出来れば表彰台(3位以内)に絡みたかった。団体優勝は団結力の勝利です」
主将 村松歩果(2年、二川中出)
「弓道部として新たな伝統を刻むことができたが、個人的には団体戦のメンバーから外れ、個人戦は予選敗退と悔しさが残る。夏のインターハイではチームの中心選手として5度目の優勝に貢献したい」