その先にある「熱い夏」ロックオン 東海新人で躍進 豊丘高女子3選手

入学後メキメキ頭角

女子1500m 鈴木小町さん(2年)

鈴木小町さん

鈴木小町さん

【県新人】▷決勝 4分48秒93=7位
【東海新人】▷予選 4分49秒91▷決勝 4分47秒55=7位

 「終盤ギアの切り替えが出来ずに失速することが多い。スタミナ強化が今後の課題です」

 東海新人予選は全体の11位通過。自身「1桁(順位)なら上出来」と臨んだ決勝レース。中盤まで順位変動の激しい大集団の後方に付け、残り400mで隊列が縦に伸びると5、6番手をキープ。だが追撃機に脚が伸びず7位。結果として合格点を付けたいところだが「最後に気持ちの弱さが出て抜かれてしまった。位置どりや仕掛けるタイミングなど、まだまだ課題ばかりです」と反省を口にする。

 豊橋東部中時代から中距離を専門にしてきたが、特筆する戦績はない。3年夏の総体は1500mで県大会に進出し、予選は辛うじて通過したものの、決勝は最下位。「全国クラスは次元が違うと思っていた」

 高校入学後、部活と並行してクラブでも距離を重ねた。小刻みで回転の速いピッチ走にはスピード感があり、最後までフォームがブレない。「無印のノーマーク選手ですから」と前半から果敢に攻め、中盤以降は蓄積してきた体内エンジンを放出するのみ。このレースプランで少しずつ新しい景色が見えるようになった。あとはスタミナだ。自己ベストは昨年5月の東三河総体で出した4分44秒82。

 この種目には私学の強豪校をはじめ東三河にも有力選手が何人もいる。「どこまでいっても私は挑戦者。(インハイは)まだ雲の上の存在ですが、可能性だけは捨てたくない」と、まっすぐ前を向く。

U18陸上9位で手応え

5000m競歩 金田真穂さん(2年)

金田真穂さん

金田真穂さん

【県新人】25分17秒41=2位
【東海新人】24分30秒24=優勝

 他競技に比べて奥が深くルールも厳しい。「経験値は浅いですが、少しずつ戦い方が分かってきました」

 県を2位で通過し、東海新人の目標は表彰台。21人がエントリーし、途中棄権やロス・オブ・コンタクト(両足が同時に地面から離れる)などの歩型違反者が出る中、前半から的確なレース配分で流れをつくった。2位に30秒近い差を付け自己新で快勝。「うれしさより、無事にフィニッシュできた安堵(ど)の方が大きかった」と振り返る。

 設楽中出身。中学ではソフトテニス部に所属し、高校で本格的に陸上を始めた。「(中学時代に)期間限定の駅伝部でメンバーに選ばれたのがきっかけで長距離を選んだのですが、実力が違い過ぎました」と笑う。1年夏に足を負傷し、リハビリと体力強化を兼ねて競歩を始めた。練習は地味で単調だが、我慢強さと真面目な性格が競技力に直結。レースのたびに自己ベストを塗り替えてきた。昨年10月に開催されたU18陸上(ジュニアオリンピック陸上)の3000m競歩では14分26秒08で9位に入り、距離こそ違うが全国を視界に捉えた。足は完治したが、今夏は競歩1本で勝負する。昨年暮れの市町村対抗駅伝(愛知駅伝)では設楽町代表として7区を担当。順位を2つ上げた。長距離との2種目エントリーは間に合わないが「やっぱり走るのも好きなんですよ」

 下半身強化やフォーム改良などまだ修正箇所は多いが、歩みを止めなければ結果は必ずついてくる。「狙うはインハイ入賞です」。地に足を付け、目標を定めて一歩ずつその先へ。

忘れ物を取り戻す

女子走高跳 原田樹さん(1年)

原田樹さん(提供)

原田樹さん(提供)


 「一昨年の夏の悔しさは今も忘れない。中学時代の忘れ物を高校で取り返したい」

 羽田中3年時の夏総体。県大会で1m57を跳んで優勝したが、全中参加標準(1m60)に3cm足りず涙を流した。その後の東海で3位に入ったが、大願成就は高校に持ち越し。捲土重来を期す。

 環境も条件も違うが、今回県新人でマークした1m61は昨年の東海総体2~8位の記録。インハイ切符は上位6人だから、射程圏内に捉えたことは確かだ。続く東海新人は「悪天候で調整に失敗した。でもみんな同じ条件だから理由にはなりません。メンタルの弱さです」と口元を結ぶ。

 身長164cm。体幹が強く身体バランスがいい。速い助走の流れから力強く踏み切って体を大きく投げ出すと、しなやかな曲線を描く。空中動作も安定している。助走の最後の5歩(内径)の体重移動を意識し、部活とクラブで技術の完成度を上げる。跳躍は心と対話する精神競技。「私なら出来る」と自身に言い聞かせ、ゾーンに入ってバーと向き合う。目標は身長超えの165cm。「チャンスを逃したくない。全国舞台で自分を試したい」と、眼光に鋭さが増す。