体操競技で東海優勝/全中出場 高難度の演技 全国で魅せる

 「技も心もまだ進化の途中」ー。章南中学3年の黒田智生(ともき)君=15歳、老津町=は、夏の全国中学校総体(全中)体操競技選手権に初出場し、男子個人総合で上位に入った。先月はU15日本代表としてジュニアナショナル強化合宿に参加するなど、次世代ホープとして期待されている。「まだ課題は多いけど、トレーニングを積んで将来は日の丸を背負うような選手になりたい」と目を輝かせる。

章南中3年 黒田智生君

8月の全日本ジュニア選手権で躍動感あふれるあん馬演技を披露する黒田君(家族提供)

8月の全日本ジュニア選手権で躍動感あふれるあん馬演技を披露する黒田君(家族提供)

 全中は8月22~24日に長崎県長崎市で行われ、地区(ブロック)予選を通過した100人超が出場。ゆか、あん馬、跳馬、鉄棒の4種目で総合順位を競った。黒田君は県大会3位だったものの、続く最終予選の東海総体ではチャンピオンに輝いた。鉄棒の1位をはじめ全種目で好得点をマーク。2位以下を大きく引き離し、一気に注目度が増した。

 迎えた全国総体。目標は入賞ラインのトップ10。最初のゆかでやや出遅れたものの、あん馬と跳馬で着実に順位を上げ、得意の鉄棒で7位に入って総合13位。目標には届かなかったが、完成度の高い演技で存在感を示した。大きなミスはなかったが、ゆかで思うような演技ができず、以降も重圧と緊張で体が動かなかったという。「入賞を逃した事より、焦って本来の力を出せなかった悔しさの方が大きい」と反省を口にする。単純には比較できないが、東海大会の演技・得点を全国で出していれば5指に入る。「反省点が多く見つかり、勉強になる大会だった」と、口元を結んで前を向く。

 2つ上の兄将矢さんが習っていた影響で6歳からマットに立った。小学校に上がって本格的に競技者の道へ。浜松にあるアイム体操クラブに週6日通い、毎日4時間の練習で技を磨く。「(練習が)きつくて休みたいと思うこともあるけど、難しい技が成功したときの達成感が辛さを忘れさせてくれる。納得いく演技ができ、着地もピタッと決まったときは思わずガッツポーズしたくなる」と、うれしそうに話す。

U‒15日本代表

 全日本ジュニア中学3年の部優勝など数々の戦績が認められ、男子ジュニアナショナル強化合宿(10月18~21日、味の素ナショナルトレーニングセンター)に参加。中学生以下で招集されたのは13人。国内屈指のエキスパートから技術指導を受け、栄養学や心理学も学んで心技のクオリティーを上げた。「みんな目標も意識も高く、刺激になった。負けたくないという競争心も強くなった」と収穫を語る。今後もU15日本代表メンバーとして試合を重ねていく。

 155cmと小柄で筋肉質だが、それぞれのパーツ(体の部位)がバランス良く、柔軟性もある。自慢は鉄棒のピタ留めに必要な腕力。負けず嫌いで探求心があり、完成度の高い演技を求めて努力を積み上げていく。普段は目立つタイプではないが、器具の前に立ってゾーンに入ると表情が一変。独特のオーラを放ち、スケールの大きな演技を魅せる。一番の武器は、こうと決めたらブレない気持ちの強さと競技愛だろう。

教育長に東海V報告

 10月30日、豊橋市役所を訪れ、原田憲一教育長に東海総体優勝と全国出場を報告。東海大会を制し「決めた直後は実感がなかったが、時間が経って喜びが込み上げてきた」といい、「卒業後も体操を続け、高校では1年生から全国を狙いたい」と力強く語った。原田教育長は「これからも心と技を磨いて、将来は日本を代表する選手になってください」と激励した。

原田教育長に東海優勝の盾を披露する黒田君

原田教育長に東海優勝の盾を披露する黒田君