愛知県高校新人柔道男子60kg級V 桜丘高2年木村海斗君
先月、愛知県武道館であった愛知県高校柔道新人大会の男子60kg級で桜丘高2年の木村海斗君が優勝し、3月19、20の両日、日本武道館で開催される内閣総理大臣杯第47回全国高校選手権に出場する。小学生時代は無名に近かったが、中学の〝桜柔道〟で頭角を現わすと、昨年の県総体準Vで存在感を発揮。組手の強さと多彩な足技で自身2度目の全国切符をつかんだ。「県代表の誇りと使命感を胸に大きなインパクトを残したい。狙うは4強進出」と力強く語る。
難敵破って春の全国決める
愛知県男子個人60kg級には80人が参戦。木村君は小内刈りや背負いの合わせ技で順当に勝ち進み、準々決勝は小内巻き込みで1本勝ち。ここでギアが1段上がると、準決、決勝は全階級制覇を狙う強豪大成のシード選手と対戦。いずれもGS(延長)の接戦となったが、果敢に攻め続けた木村君が優位に展開。相手に指導が入り雌雄を決した。同階級のV戦線は桜丘VS大成の構図となり、木村君とともに小林晟太朗君(2年)もベスト4進出。準決勝でGSの末に屈したが、シード決定戦で大成稲垣選手を技有で下した。
そのほかの階級では、81kg級で桜丘の伴颯斗君が準優勝。66kg級で豊橋工科の池田英豊君が3位。女子は豊橋中央の黒谷八千琉さんが57kg級、同金澤沙來さんが無差別級でともに3位だった。
サクラ柔道で進化
木村君は瀬戸市出身。柔道を習っていた従兄弟の影響で幼稚園年長から地元の道場で基礎を学んだ。瞬間力がありバランス感覚も良かったが、小学生時代の最高成績は4年時の県軽量級3位と、目立つ存在ではなかった。県レベルの大会は序盤(一、二回戦)で負けることが多く「格上だと感じると、戦う前から気持ちで負けていました」。それでも探究心を持ち続け「全国を狙える選手になりたい」と、敗戦を奮起剤に自分の柔道と向き合った。
通っていた道場主の勧めもあって桜丘中学を選んだ。稽古相手は高校生や戦績を持った先輩ばかり。畳に打ち付けられながら、引き手や釣り手の使い方、仕掛けるタイミング、勝負勘などを皮膚感覚で吸収していった。心身両面でシフトチェンジすると、2年時に県総体50kg級を制し、全国大会(全中)初出場。ベスト16入りし、目指す道がさらに明確になった。「全国舞台の迫力と独特の空気を体感することができた。高校ではテッペンを獲りたい」

背負い投げの練習を繰り返す木村君(手前)
焦らずその先へ
高校は60kg級が最軽量のため、最初のミッションは体重増。食事量や筋トレで肉体改造を続け、持久戦対応のスタミナ強化にも力を入れた。昨年の県総体(インターハイ予選)は決勝で敗れ準V。第1シードの今年は〝番手〟通りの順当勝ちだった。
得意は切れのある小内刈りと体幹の強さを生かした背負い投げ。自分優位の組手で流れをつくり、相手の動きを読みながら一瞬の隙を見逃さず仕掛ける。稽古に取り組む真摯な姿勢も伸びしろに直結。昨年の夏過ぎにケガで2カ月ほど対人稽古ができない時期があった。焦りから後ろ向きになってしまう選手もいるが、腐らず迷わず「未来設計」への先行投資として地味なウエート強化に時間を割き、タフな精神力も強みに加わった。指導する田嶌之貴監督は「真面目で向上心があり、成長するために何が必要か、何をすべきかを自分で解きながら前に進んでいる。勝負にこだわる気持ちの強さが攻撃スタイルに出ている」と評す。
春の高校選手権には48人(男子60kg級)が出場し、一発勝負のトーナメント戦で頂点を目指す。木村君は「自分の『現在地』を知る大会。ベスト4を目標に足跡を残し、夏の総体に弾みをつけたい」。まっすぐな目で闘志をみなぎらせる。

桜丘高2年木村海斗君