桜乱舞7年連続11度目のウインター切符
最上級生の意地と執念が桜色の大輪となったー。全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ)の県予選決勝が4日、常滑市体育館で行われ、男子の部は桜丘が第1シードの中部大第一を62ー58で下し、7年連続11度目の冬切符を手にした。女子は絶対女王の桜花学園が制した。本大会は12月23~29日に東京体育館ほかで開かれる。(2面につづく)
本命を撃破 歓喜の"サクラ劇場"耐えて凌いで"信じる力"結実
高校選手権は3年生の集大成。そしてシーズン決着をつける最後の覇権争いでもある。
県大会2次Tには男女各32校が出場。第2シードの桜丘は大同大大同、名古屋たちばなを大差で下し、準決勝で第3シードの安城学園を97ー80で破って宿敵中部大第一と対峙した。
サイズがあってパワー攻撃を武器とする「豪」の中部大第一と、スピードと組織力で組み立てる「巧」の桜丘。対戦成績は中部大第一の3勝1敗。接戦必至の2強対決は、開始前から独特の緊張感に包まれていた。
第1Qで先手を取ったのは桜丘。チームをけん引する主将の畑野瑞季やドライブの冴える波多野貴斗のゴールで主導権を握ると、中野直人の3Pシュートも要所で決まって20ー12。シナリオ超えの弾丸発進だった。だが、第2Qに入ると中部大第一が反転攻勢に出て潮目が変わった。2分過ぎから立て続けに得点を奪い、瞬く間に形勢逆転。桜丘はファールが重なるなど我慢の時間帯が続いた。
折り返し時で6点ビハインド。第2Qを5点に抑えられ、失速感のあった桜丘だが、ここから”サクラ劇場”再開。攻撃の要高尾ショーンが2本連続で3Pシュートを決めて反撃の口火を切ると、真骨頂の高速プレーで再逆転に成功。ドリブル突破の光る鈴木大詞、勝負どころで頼りになる長坂友希も攻守に存在感を見せた。強化してきたゾーンディフェンスが機能し、リバウンド奪取率がエンジンの回転数をさらに高めた。
50ー44。桜丘6点リードで迎えた最終第4Q。3分以上試合が動かないこう着状態が続き、中野、鈴木のシュートで空気が動いた。残り3分を切って9点差としたが、中部大第一も脚を止めずに波状攻撃。粘る桜丘、追う中部大第一。ネットが揺れるたびに悲鳴と歓声が交錯し、桜丘の勝利を告げる終了のブザーが鳴ると、選手たちの頭上に無数の紙テープが舞った。

7年連続でウインターカップ出場を決めた桜丘男子。部員全員で戦って掴んだ勝利だった

波多野貴斗

鈴木大詞

高尾ショーン

中野直人

トゥーバ フェイ

チームをけん引した主将の畑野瑞季
「3年生とまだバスケができる」
激闘を終え、桜丘の水越悠太監督は開口一番「今シーズン一番の試合をしてくれた」とたたえた。「苦しい時間帯も多かったが、3年生を中心に粘り強く凌ぎ、流れを引き戻してくれた」と振り返る。指揮官の口からは、つねに「3年生」というフレーズが出てくる。今回の決勝も留学生を除き3年生がスターターを務めた。常勝軍団を引っ張る自覚と使命感、そして背負っているものの大きさが「土壇場の馬鹿力」を引き出したのだろう。
チームが始動して最初の中部大第一戦(2月、県新人)は58ー101の完敗。こてんぱんに叩きのめされ「今年は1強」の声さえ上がった。その反骨からリスタートし、経験を積みながらチーム力を蓄え、時間をかけて課題と向き合い、インターハイや遠征などで勝つことの難しさを学んだ。昨年のような突出した選手はいないが、仲間を信じる結束力は岩の如しだ。監督は「あと2カ月間、3年生たちとバスケットができることに感謝している」と、少年のような笑顔を見せる。
畑野主将(豊橋中部中出)は「部活仲間や支えてくれている人たちに勝って恩返ししたかった。でもまだ通過点。全国ではベスト8入りを目指し、もう1段ギアを上げて臨みたい」と次戦を見据えて口元を締めた。

試合前に指示を送る水越監督