合言葉は「じぶん時間を楽しむ」
「私たちの"拳法日記"はこれからも続きます」ー。豊橋創造大学に日本拳法部(サークル)が誕生して8年。近年は中部オープンや県民大会で活躍し、全国大会に出場する選手も出てきた。高校時代の経験者らが創部に向けて大学側と掛け合い、平成28(2016)年に部として認められた。強豪大学を倒すために技術を磨く選手もいれば、講義やアルバイトなど忙しい合間をぬって"リフレッシュ"目的の学生も。思い思いのスタイルで拳を合わせ、キャンパスライフを楽しんでいる。
豊橋創造大学/日本拳法部
経験者が声上げ発足
高校時代、日本拳法で結果を残した藤ノ花女子や桜丘のOGが「大学でも防具を着て自分を磨きたい」と大学に掛け合った。発足に向け学生主導で規約をつくり、部員や練習会場の確保。指導者(コーチ)要請など体制を整え、女子3人で旗揚げした。
練習は原則週1回。基本打ちや面を付けての実戦練習など、それぞれの技量やペースで汗を流す。高校部活ほど「質」を求めるのではなく、1丁目1番は「自分スタイルを楽しむ」。現在部員は男女合わせて12人。女子の多くが経験者だが、男子は大学に入って道着に袖を通した。だから、同期や年下の女子が師範となって身体の動きや突き、蹴りの基本を伝授し、男子は門下生としてアドバイスに耳を傾ける。女子は短期大学部の生徒が多く「社会に出るまでの2年間で、拳法を通じ人間力を養いたい」と話し、昔から格闘技が好きだったという南稜中出身で未経験者の小山慎翔さん(1年)は「まだ覚えることばかりだが、稽古は楽しい。自分磨きを続けて卒業までに県学生チャンピオンを獲りたい」と意気込む。
週1練習に加えて自主練や母校に出向く学生も多い。毎月1回は藤ノ花女子、桜丘、愛知大の4校合同練習会を開催し、拳を交えながら強化・交流を図っている。
自主性を大事に
監督には同大OBで経験者の成瀬亮祐さん(32)が就き、部長コーチとしてサポートに回るのは、現在同大に勤務する元高校教諭の井原淑雅さん(63)。井原さんは藤ノ花女子の日本拳法部を長年指導し、団体、個人で何度も高校チャンピオンを育てたその道のエキスパート。いまでも掛け持ちする形で高・大生の成長を見守る。『育てる』という共通理念は同じだが、年代や目的によって接し方は変わる。「高校生は潜在能力を引き出すことを主眼とし、大学では自主性を大事にしている。どちらも1人ひとりが輝いていればいい」と話す。

防具を付けて男女が一緒に練習に励む
今年4月にあった中部オープンで豊橋創造大は団体戦準優勝。先の県民大会一般女子で1年生の高村弓さんが3位、中部日本学生で準優勝を飾り、9月に開催される全・日本総合選手権(全国大会)への出場を決めた。高村さんは藤ノ花女子の卒業生で、高校時代は1年生春の選抜で個人ベスト8入りした実力者。2、3年時は団体戦で活躍し、優秀選手に選ばれている。「一般の部は名門大生や自衛官など強豪が揃っている。全国で勝つのは大変だが、格上を破って創造大の名前を売っていきたい」と闘志を燃やす。同じく1年生の塚田妃茉里さんも中部日本学生で4位に入り、全・日本切符を手にした。
男子の指導にあたっていた女子拳士が額に汗を光らせながら言う。「(日拳は)高校で完結のつもりだったけど、唯一の特技ですから、卒業後も付き合っていきたい」と。