攻守の要 巧みな足技で勝利に貢献 Uー15女子フットサル全国3位

 昨年の女子サッカーなでしこリーグ1部で初優勝した朝日インテック・ラブリッジ名古屋の下部組織「ラブリッジ名古屋スターチス」(以下ラブリッジ名古屋)が、全日本Uー15女子フットサル選手権で3位に入った。フィールドプレーヤーとして攻守に存在感を見せたのが、豊岡中3年の山下紗欄(さら)さん=井原町。幼少期からボールを追い、県トレセンなどで活躍の舞台を広げると「もっと自分に賭けてみたい」と、中学からは瀬戸市に練習拠点を置く全国屈指のユースクラブに通う。銅メダルを手に「挑戦は始まったばかりです」と目の奥に力をこめる。

ラブリッジ名古屋スターチス 豊岡中 山下紗欄さん

フットサルの女子全国大会で銅メダルを獲得した山下さん

フットサルの女子全国大会で銅メダルを獲得した山下さん

 全日本選手権は1月11、12日に栃木県・日環アリーナ栃木で行われた。ラブリッジ名古屋は1次予選となる愛知県大会で優勝。東海地域ブロック大会で静岡代表の東海大翔洋、三重代表の伊賀FCくノ一サテライトを下し、本戦切符を手にした。

 本大会には9ブロックの地域代表が出場。ラブリッジ名古屋は1次(予選)ラウンドで九州地域代表のFC琉球さくらアレ(沖縄)を3ー2で破り、四国地域代表FCストーリー徳島メニーナ戦は3ー3の引き分け。勝ち点差の1位で決勝ラウンド進出。準決勝で関西地域代表パスドゥーロメニーナ(大阪)と対戦し、0ー0のPK対決(2ー4)で惜敗した。パスドゥーロメニーナは決勝でディオッサ出雲FCジュニアユース(中国地域/島根)に快勝した。

 山下さんは中盤の要として県大会からほぼ毎試合出場。足元の巧みな技術と正確なパスで試合を組み立て、チームを上昇させた。「優勝を逃したのは悔しいけど、自分の力を試すことができた。フィジカルや戦う姿勢など学ぶものも多かった」と話す。

パス精度高いDF

 社会人サッカーリーグに所属していた父顕司さんや3つ上の兄の影響で、5歳からボールを追った。男の子に混じってアルテス東田で基礎を学び、4年生からリベラール豊橋FCに移り、試合勘を養いながら洞察力や戦術を磨いていった。後方から試合をコントロールするディフェンダー。パワー系DFではなく、柔らかなボールタッチから展開を読み、広い視野で正確なスルーパスを供給する。その身体能力と高いポテンシャルは5、6年時のUー12、現在はUー15女子県トレセンでもインパクトを残す。

 「力のある女子集団の中で勝負したい」とラブリッジ名古屋を選んだ。自立できる選手の育成を掲げるスターチス(中学年代)には県内外から次世代の有望選手が集結し、トップチームやなでしこジャパンを目指して汗を流す。平日練習は週3日。授業を終え、電車を乗り継ぎ約1時間30分かけて拠点のピッチへ。足技の反復やポゼッション、ミニゲームなどで潜在力を引き出す。土日は遠征や強化試合が続く。DFだけで20人在籍。「タイプの違ういろんな選手から刺激を受け、気持ちの部分で強くなりました」。普段は穏やかな性格で前に出るタイプではないが、ピッチに立つと表情が一変。ハンターが獲物を狙うような鋭い眼光でボールを奪いにいく。ONとOFFの切り替えが巧みで、自己プロデュース力もある。

 中学女子の主要タイトル高円宮妃杯全日本Uー15選手権(12月6、7日、大阪J-GREEN堺)は地元開催のセレッソ大阪(関西1位)に逆転負けを喫しベスト16だった。

“自分磨き”胸に県外の強豪校へ

 中学卒業後、親元を離れて福井県の全国常連校に進む。インターハイに8度出場し、選手権では2020年に3位に入った北信越の雄。寮生活を送りながら、さらなる厳しい環境で心と肉体のアップデートを図っていく。「不安が無いと言ったらウソになるけど、自分で決めた道ですし、どんな挑戦が待っているのか楽しみの方が大きい」。そして「1年生からトップチームに入って全国大会で活躍したい」と語尾を強める。

 将来の夢はーの問いに、WEやなでしこリーグを口にするかと思いきや「アスリートをサポートする理学療法士です」をきっぱり。だから「(高校で)完全燃焼したい」。固い決意と信念が言葉から伝わる。明確なビジョンを描き、ブレずに可能性の扉を開いていく。

春から北陸の強豪校に進学し、全国大会を目指す

春から北陸の強豪校に進学し、全国大会を目指す