スポーツ春秋
陸上競技の県総体男子400㍍決勝。予選を上位通過した彼は3レーン。序盤から回転数を上げてぐんぐん加速し、横一線の首位争い。だが、残り30㍍で右脚が突然けいれんを起こし、勝負の夏は終わった
予期せぬアクシデントはインターハイという夢を砕いただけではなく、その後の人生にも影響した。関東の大学に進学して陸上競技を続けたが、高校時代のように熱くなれない。周囲とのレベルの違いもあってトラックに足が向かなくなり、2年で大学も辞めた。自問自答の浪人生活の後、専門学校に入り直して整体師と針灸免許を取得。アスリートをサポートする側に回ってもう12年になる
人生には様々な岐路がある。それに気づくのはいつも後からだ。「イレギュラーを引きずるか好転させるかは自分次第」。目標とするレーンを変え、夢を託して次世代の心身のメンテナンスにあたる。